Vol.9 2008年2月 新商品情報
ペットニュース

                       こんな方にインタビュー
川久保昇(カワクボノボル)さん
1964年東京生まれ。1988年にPARCOネットワークの店舗企画会社である、株式会社 アクロスに入社。その後、株式会社 日本マーケティングシステムズに移籍。現在は、同社主任研究員。主な業務内容は、メーカーのマーケティング戦略や商品開発などの、市場調査の企画・分析によるサポート。洋酒・飲料メーカーのサントリー株式会社が主催する人文系の研究所である、サントリー不易流行研究所(後に、サントリー次世代研究所に改称)の“昭和50年代生まれ世代研究”と“若者のワークスタイル調査”に、インタビュー調査の企画・分析担当として参加。2002年に、同研究所客員研究員として『ロストプロセスジェネレーション〜昭和50年代生まれ、こころのかたち』(神戸新聞社出版センター)、2005年に『U35〜僕と仕事のビミョーな関係』(日本経済新聞社)を共同執筆。
上手な仕事の付き合い方についてお聞きしました。                             インタビュー
                                                           そらもね代表 村田 真弥子

 U35世代を通じて、面白く仕事をするってどういうことか調べるようになったきっかけは何ですか。

川久保さん 
 いつもインタビューするのが仕事なので、される側って、なったことがないんです。
サントリーでは、それまでもいろんな世代の特徴を研究していましたが、手伝わせていただいているうちに注目されたのが、1970年以降に生まれたU(UNDER)35世代の人たちなんです。研究していた頃に35歳以下だった人たちです。

 この本の前に書いた『ロストプロセスジェネレーション〜昭和50年代生まれ、こころのかたち』も、昭和50年代生まれに焦点をあてたという意味では見え方が違いますが、テーマにしたのはこの世代です。当時は対象となった人たちが高校生や大学生が中心でしたけど、二冊目『U35世代〜僕と仕事のビミョーな関係』では、彼らが年齢が上がって社会人になっていたので、働き方や仕事へのスタンスが中心になりましたね。

 彼ら世代の親は、団塊の世代か、その前後だったりするんだけど、仕事に対する考え方は全然違いますね。それぞれ、世代毎に特徴があります。その違いを把握するには、自分たちの世代も含めて横断的に考えないといけないので、今思うと、自分のことを調べているみたいなところもありました。自分自身の仕事観も突き詰めて考えないといけなくて、変な消耗の仕方をしましたね。


 今日はその世代でもあるOL二人・AさんとBさんにも参加していただきました。自分の世代の特徴と思うことは?
Aさん 
 私は昭和51年生まれです。親は自分たちは自由にできなかったから、子供にだけは自由にさせたかったというけど、そんなに自由にしていないし、できない。
さん 
 私の父は団塊世代より上で、遊び=悪、仕事=善という典型的な仕事人間ですね。その反動なのか、仕事だけしていていいのかな、という不安はあります。

川久保さん 
 ちょうど就職時期にバブルの後で就職が厳しかったり、相対的に恵まれていなかったということもありますよね。いい時代を知らなかったともいえます。

Aさん 
 会社の上の人たちは、前は随分?もらっていたというけど、わたしたちは働いている割にはもらえてないし、今後ももらえる”予定”もないよね。

川久保さん 
 本当は、バブルの時に、多くの人はそんなに潤っていなかったんだけど…。バブル時代以降、成功=金持ち、みたいに捉える傾向が強くなったような気がします。インタビューをしていても、お金持ちになることしか興味がない子がでてきたり、一方でそういうこうことに全く興味がない人もいる。両極端ですね。そいう予兆は前からあって、社会に出る前から、定年後に農業はじめるような、リタイヤ後の人生みたいな将来をイメージする若い子がいたり。今は、また少し変っているかも知れないけど。

 こういう中で、世の中が「自分の好きなことを仕事にする」という風潮が高まってきたことに注目しました。
 自分の好きな仕事をするのは、僕も理想的だと思います。自分も好きなことで生計を立てていると思っているし。実際にインタビューをして調べてみると、好きなことを仕事にしている人は、すごくモチベーションも高いし、元気。職種には関係なく。傍から見ても楽しそうです。

 ただ、世の中がそういう風潮(好きなことを仕事に)になってくると、一般的な普通にサラリーマンをやっているために、取り残されたような不安な気分になっていく人も少なくないんじゃないかと思う。人気のある大企業や花形職業の人なら別ですけど。

 かなり広い職種にインタビュー調査をしたんですが、実際にそうでした。、一般的なサラリーマンだと、愚痴っぽい話が多いし仕事が楽しくないという人が目立つ。企業の正社員や公務員などの安定した良い仕事に就いていても、それは同じです。多くが、近い将来の転職を考えている。好きなことを仕事にしている人たち(後に、インディペンデントワーカーと命名)との一番の違いはそこですね。彼らと違って、普通のサラリーマンは仕事に対する愛着とか執着がない。

 「自分の好きな仕事をする」(『13歳のハローワーク』)っていうのは村上龍が言い出したんだけど、難しいですよね、急に言われても。U35世代の人たちは、そんな風に育ってこなかったんだし。それを、大人が言うのは一方で無責任なことなんじゃないかと思いました。

 だから、「彼ら一般的なサラリーマンに向けた本を書こうよ」という話になり、本の中で「好きなことを仕事に」という発想を変えて、今の「仕事を好きになる」リ・スタートが大事なんだと書きました。仕事って、きちんと取り組むと、それなりに面白いはずですし。あ、提言を書いたのは、僕じゃないですけど。


 かつて「5時から男」というCMがありましたが、時間とお金の余裕がなくなっているということ?すごく頑張っている・・・
Aさん 
 どんどん堅実になってきているよね。とりあえず「資格」、「勉強」ってね。

Bさん 
 わたしたちってもろくない?失うの怖いもん。

 でも機械に強いですよね。
Bさん 
 インターネット時代になっても余り抵抗がないこと?私は小さい時にファミコンで遊んでいたからかな?私は文系なんだけど、文系でもSEは歓迎されるところ多いですよ。

Aさん 
 機器も取説を読まなくても何となくわかっちゃう。

川久保さん 
 デジタルってほめ言葉になるのかな。失うものも多いし。

Aさん 
 漢字は書けなくなってきているよね。 形は分かるのになかなか書けない。

Bさん 
 婚姻届出すとき、妻を毒って書いて役所の人に”それは毒です”と冷たくいわれちゃった。

川久保さん 
 確かに毒でも”間違いいでは”ないかも(爆笑)

 変化の過程にあるということでしょうか?
さん 
 変化で言えば、一番驚いたのが携帯かなぁ。ポケベル以上に驚いた。

川久保さん
 僕たちの時代は、電車が遅れちゃて 待ち合わせが遅れてどれだけの人が出会いを失ったか(笑)。 時間軸が線から点になっている。 生活がドットになっちゃってるっていうか…。

Aさん
 あることが当たり前、ないことになれていない。

川久保さん 
 小さいとき麻布に住んでいたんだけど、その頃は六本木にも浮浪者がいました。東京オリンピックに合わせて首都圏を中心に近代化が進み、近代的な高速道路もできつつあった時代です。はじめに霞ヶ関ビルを見た後は、どの高層ビルにもあまりおどろかない。カラーテレビも衝撃的でした。機械で干すものは”文化干し”といったように、文化的になってゆく自分たちの生活に、日本中が浮かれていて、みんながそれを共有していたように思います。社会の発展と生活の向上が実感できた。

Aさん 
 自分成長と社会の発展が連動しているのを実感できるってすごい。

川久保さん 
 『ロストプロセスジェネレーション〜昭和50年代生まれ、こころのかたち』にも書きましたが、親の世代は「いつかはクラウン」というように、どの家族にも共通した、具体的な目標みたいなものがあったわけです。それを実現する父親が頑張っているのを、物質で実感できた。シンプルな時代だったんでしょうね。

 現在は、具体的なイメージや形がない。共通する目的みたいなもがない。音楽も「時代の歌」から「わたしたちの世界」へ変わってきた。だから、友達との話でも音楽のことになると2秒で終わってしまう。それぞれ聴いているものが違っていて、同じじゃないとまるで接点がない。商品も「わたしたち」消費になってしまっている。でも、そういうこれまでの戦後の歴史にはなかった環境が、個性的な何かを生み出すのかもしれない、とも思う。

さん 
 音楽って、話が合うってむずかしいよね 共感し合うってなかなかない。


 他の世代でうらやましい年代は?

川久保さん 
 70歳前後ですね。幸せを実感してるんじゃないかな。勝ち抜けちゃってる世代ていうか、バイタリテーもあるし、変化に強い。それぞれが横風に強いような気がする。ユニークなことに反応できる。ゼロ地点を知っているからじゃないかと思いますけど。「ダメだったら、またゼロからやり直せばいいや」っていう、本質的な強さがあるのかも知れないな…。焼け跡から這い上がってきたことが自信になっている、とか。

Aさん 
 わたしの知り合いにもその年の人で話してても面白い人がいます。梱包してたらびっくりした。箱に小さい物を詰めるのに梱包材を入れていたら、箱自体を切っちゃってた。そういう発想ってすごいと思っちゃう。

川久保さん 
 それは、僕たちの世代まではあたり前の感覚だけどね。合わせようとする傾向が強いから、箱を切るという発想がないんじゃないかな。僕たちも物質的に豊かな時代に育ったという自覚はあるけど、まだ創意工夫をする余地が残っている程度には不便だった。


 ところで80 年代半ばから 90 年代初頭にかけて第一次ペットブームがありましたが、最後にペットについては?
Bさん 
 私は小学生の頃です。確かに実家にも犬がいたけど、家の中で飼っているひとにあこがれだったよね。
仕事に慣れて5〜6年くらいころから、疲れてきて癒しになればと思って、私もまた犬を飼いました。人間っぽい名前にしたかったので”ケンちゃん”て。


 その頃までですと、ペットに”ちゃんづけ”って有り得なかったことですよね。
川久保さん 
 椅子の生活への変化も室内飼いと影響していると思います。私は小さい頃、シバの雑種を飼っていて、高校のときシーズー、そのあとにマルチーズ。母が引き取って飼うことになったんだけど、ウチは室内犬を外で飼ってましたね。
 動物は好きで、特にサルが好きです。年に何度も上野動物園に行くんです。見てると安心する。本質的なものは変わんないよな、って思う。忙しくなるとサル山見に行きたくなるんです。 動物の世界の過酷さ、残酷さとか結局、自分を知りたいって話なのかも知れないんですけど。

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